今回は、USCPA4科目の受験順についてお話します。
受験順で迷われている方や、これから勉強を始める方に、参考にして頂けたらと思います!
私は、FAR→BEC→AUD→REGの順番で受験しましたが、予備校や一般的におすすめされている受験順は、
ではないかと思います。
それでは、以下で1つずつ、私見も交えてご説明していきます。
1科目目:FAR
- FAR(Financial Accounting & Reporting):財務会計・政府会計
USCPAは会計士の試験だけあって、会計科目であるFARはこの試験の根幹となる科目です。
従い、このFARから勉強を始めるのが一般的ですが、最もボリュームが多く、最初にしてある種最大の難関とも言えます。
(※会計初学者を前提にしています。仕事で会計に慣れ親しんでいる方にとっては、取っ付きやすい科目になろうかと思います。)
また、USCPAの勉強に慣れていない段階でFARのボリュームに圧倒されて、ここで離脱してしまう人も少なくないと思います。
しかし、逆にFARを乗り越えれば、残りの科目はボリュームで言えばFAR以下になりますし、勉強にもある程度慣れてきていると思いますので、受験までの準備時間、仕上り具合、試験慣れ等々、様々な意味で要領を掴めると思います。
2科目目:AUD or BEC
- AUD(Auditing & Attestation):監査及び諸手続き
- BEC(Business Environment & Concepts):企業経営環境・経営概念
2.1 AUD
財務報告書を監査するという意味で、AUDはFARと表裏の関係にあります。(FARは財務諸表の作り手、AUDはそれを監査する立場)
その意味で、FARの次にAUDを勉強することは、流れ上もおすすめできます。
しかし、AUDはFARに比べボリュームはないのですが、ゴリゴリと計算し、ある種力業で解いていける(借方/貸方をパズルのような感覚で解いていく)FARに対して、解釈・読解力を問われる国語のような科目です。
計算で1つの答えが導き出せるFARと異なり、より理解が問われるAUD。この違いに苦戦すると、AUDの蟻地獄にハマる恐れもあります。
2.2 BEC
私は2科目目にBECを勉強しました。
これは、2017年の試験制度改定の影響が大きいのがBECだったため、改定前に合格するべくBECの受験順/勉強順をFARの次にしました。
(結果的に制度改定前には合格できず、合格した科目の順番としては3番目になりました^^;)
当時の特殊事情を差し引いても、FARの流れで入っていける分野がBECには含まれているので、2科目目に持ってくるのは悪くはないと思います。
BECの性質上、”広く・浅く”で試験範囲もそれなりに広範なので、FARのボリューム感に慣れているうちにBECに取り掛かるのはありだと思います。
3科目目:BEC or AUD
- 2科目目でAUDを選択した方は、3科目目でBECを
- 2科目目でBECを選択した方は、3科目目でAUDを
あくまで私見になりますが、AUDでハマってしまう懸念を考えると、2科目目はBECがよいのではないかと思います。
例えば、FARで学んだ現在価値の概念はBECのファイナンスで使いますし、その他の領域でもFARと同じ要領で取り組める分野があります。
(簿記二級を勉強したことのある方であれば、商業簿記がFAR、工業簿記がBECにもあります。)
その他、FARのボリュームを攻略した後に、その勢いで”広く・浅く”のBECに取り掛かるのは悪くないと思います。
またBECの内部統制はAUDにも被る部分があります。
AUDで躓いた場合に、残り3科目もあるのにどうしよう・・・と気持ちが焦るかもしれませんが、先にBECをクリアしておけば、残り2科目の状態でAUDに臨めますので、気持ちの面でも多少楽になるのではないかと考えました。
4科目目:REG
- REG(Regulation):諸法規(ビジネス法、税法)
REGは範囲が広いですが、力業で何とかなる領域も多く(特にREG1のビジネス法)、最後の追い込みで攻略するには最適な科目かと思います。
割と単調なイメージがあり(特にビジネス法)、最後の力を振り絞って乗り切る方が多いと聞きました。(学校の試験勉強のような追い込みが効くイメージでしょうか)
実際にAUDやBECで躓く話はよく聞きますが、REGで躓く話はあまり聞いたことがありません。
BECはライティングがあり、比較的日本人が苦手とする科目と聞いたことがある一方、REGは日本人でも合格しやすい科目とよく言われています。
しかし、個人的には一番苦戦した科目でした。REGに躓いている間にFARが失効してしまいました・・・
※私が勉強していた当時は、トランプ税制によるREGの試験範囲改定があり、REGを他の科目に優先させて受験していた方も多かったです。
このように、BECのところでも触れましたが、試験制度が改定されるタイミングで影響の大きい科目は、改定前に受験を済ませてしまいたい思惑が働くので、そういった特殊要因は別途要考慮です。
まとめ
FARを最初に、REGを最後に配置し、間はAUDとBECという順番が王道だと思います。
とにかく、FARがボリュームの面でも、慣れの面でも、最初にして最大の難関だと思いますが、ここで離脱することなく乗り切れば、あとの3科目は正直如何様にもなります。(科目別の勉強法やコツについては、別でお伝えできたらと思います。)
私も最初のFARに合格するまでに2年弱かかってしまい、一生受からない気さえしていましたが、投げ出さずに頑張ってよかったと思っています。
諦めなければ合格できる試験です。早く合格できるに越したことはありませんが、なかなか思うように進まなくても、歩みを止めずに頑張っていきましょう!
受験順については予備校の説明会や相談会でも頻出のテーマかと思いますので、悩んだ際はお問合せ下さい